NHK土曜ドラマ「シュリンク~精神科医ヨワイ」。人気コミックの実写化で、1・2話までとてもいいドラマに仕上がっていました。3話で終わりってとても残念です。
コミックはたくさんストーリーがあるので、是非シリーズ化してほしいドラマですね。精神科というと、あまり身近ではない医療に感じますが、実は自分にも当てはまることも将来的に発症することもある分野。
ドラマを通して知らなかったこと、どんな治療法があるとか、発症しない為にはどうしたらよいかなどを知ることが出来ます。ドラマを観ながら知識を得られるなんて一石二鳥ですね。
最終話は白石聖さんが演じる、可憐な容姿だけど心が不安定な女性の「パーソナリティ症」のお話です。
白石聖が演じる「パーソナル症」ってどんな病気?
白石聖さんが演じる風花は、雨宮(土屋太鳳)の高校時代にインターナショナルスクールから転校してきた変わり者の転校生。
高校の制服は着用せず、派手な服装に独り言が英語だった為になかなか友人ができなかった。
雨宮が声をかけ、仲良くなったがあまりにも距離が近くなったために距離を置くとキレて退学。弱井(中村倫也)の診察で、「境界性パーソナリティー症」と診断された。
生き辛さと虚しさに苦しむ
なんだか聞いただけで切なくなる症状ですね。生き辛さと虚しさによって以下の症状がでるようです。
- 見捨てられることへの恐怖感
- 衝動的に極端な怒りをぶつけやすい
- 人格が変わりやすい
- 自傷行為を行ってしまう
- 不安になると他人への憎悪が増していく…など
なんだか傍目から見ると、ただ、勝手でわがままな人としか思えませんよね。厄介な人、と思われがちで敬遠されますが、それが更に見捨てられたと感じることによって負のスパイラル。
白石聖が演じる「パーソナル症」原因は?
ドラマの中では、生まれ持った性格と育ってきた環境によって培われてきた性格のアンバランスさが原因と言っています。
ドラマでは、父親からの過度な精神的虐待。学歴や世間体を優先にする父親からの愛情不足がクローズアップされていました。
幼児期のストレスが原因ともされていて、更に、父親も同じような症状であることから遺伝の可能性もあるようです。
ニュースなので耳にする幼児に対する虐待。親や義親、親の交際相手などが子供たちに虐待し、逮捕されることがあっても、子供たちは既にこういった症状に陥る心の傷を負っている可能性が高いですね。
ドラマでは、父親が風花に冷たくあたり、母親はそれを黙認。風花を守ることもせず、父親の機嫌を損ねないようになだめるだけ。
これでは、子供は愛情を感じることが出来ませんよね。裕福であっても心が満たされていなければ本当の幸福さは感じられません。
白石聖が演じる「パーソナル症」治療法は?
人が離れていくことに恐れを感じるこの病気。それと、人からバカにされると切れてしまう風花。弱井先生のススメで「SSTトレーニング」を受けることになる。
SSTトレーニンーグとは?『社会生活・スキル・トレーニング』です。
病院のデイケアで、感情のコントロールのスキルを学ぶロールプレイングを行う治療法です。
弱井先生は「デイケアに通いながら目標を見つける」ことをしてみては?とアドバイスしています。
ドラマでのデイケアに感動してしまいました。嫌なお客さんとの接客のロールプレイングをするのですが、風花はいつものようにキレてしまいます。ところが社会福祉士がキレた風花の一連の態度を「風花さんのどこが良かったですか?」と他の参加者に問うのです。
怒りの発言をした風花のどこが良かったですか?って目からウロコ。すると他の参加者が「相手の目を見てしっかり話せてた」「笑顔が素敵でした」「大きな声も聞き取り易かった」というのです。さらに良くするためのアドバイスも飛び交います。
人って否定されるより肯定される方が、素直に聞き入れますよね。社会福祉士さん、さすがです。
少しづつ変わっていく風花。『認めてもらう』ことが自信につながり生活も少しづつ更生していく。
白石聖が演じる「パーソナル症」の落とし穴
風花には何でも許してくれる彼氏がいる。他の男性と二股しても、すぐに戻ってくるからと何も言わずに風花を見守っていた。
しかし、風花が変わっていくことで彼氏はリストカットをしてしまう。リストカットの原因は様々ですが、ドラマの場合、彼氏の自信のなさから風花を助けることで満たされていた精神が、風花が助けを必要としなくなったことで不安定になった。
自信がないもの同士『共依存』になりやすいそうです。精神医療の最大の妨げになるとか。
風花はデイケアに通うことで、少しづつ変わっていき父親と対峙することになりますが、そこでも父親は冷たい態度をとり、キレて風花に激怒します。
父親も同じ病気で、母親と『共依存関係』なのだと気がつきます。
そして、風花は親からの金銭的援助を受けないことを決断し、彼氏とも別れることも決断します。
最終話のまとめ
なんだか、自分にも当てはまる部分もあるようなエピソードでした。自信のなさからくる怒りや不安。この病気でなくても多少皆が持っている部分ですよね。
弱井先生は、幼い頃に傷ついたインナーチャイルドに出会って抱きしめてあげてください、と言います。幼い頃に傷ついた自分。誰にでも何かしらの経験があるのではないでしょうか。
何より大切なことは、『気がつくこと』。ありのままの自分に気がつき、受け入れ、なりたい自分に変わろうとする前向きな気持ち。
とても考えさせられる深く、感動する最終話でした。
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