倉科カナが難病のフォトグラファーを演じるNHKプレミアムドラマ「TRUE COLORS(トゥルー カラーズ) 」

1月からスタートしたNHKBSで放送中の「TRUE COLORS」(トゥルー カラーズ)。世界的に活躍するファッションフォトグラファーが直面する視覚難病のストーリーです。

3話目が放送されましたが、なんだか暗い。全体的な作りが何かのドラマに似てるな…と思っていたら、昨年NHKで放送されたプレミアムドラマ「グレースの履歴」の源孝志監督が原作・脚本・監督を務めています。

どおりで、美しい風景を絡めたもの静かなドラマだなと思ったら…。「グレースの履歴」も亡き妻の愛車で妻が最後に車でドライブをした軌跡を訪ねていくというもの静かなで美しい風景が印象的なストーリーでした。

今回のドラマも同じ空気感の作品になっています。最初は暗くてつまらないな…と思いながら観ていますが徐々に映像の美しさと独特なストーリーに引き込まれていきます。

色彩のディーバと呼ばれたフォトグラファーは色弱だった

倉科カナがヒロインを演じる立花海咲(みさき)。世界的ファッションデザイナーにも認められ、世界へ羽ばたく矢先に、「錐体(すいたい)ジストロフィー」という進行性の難病を患っていることが診断される。

そもそも色覚異常のまま写真家になった海咲。そのことを隠したまま売れっ子フォトグラファーまで上り詰めた。

幼い頃から色弱の傾向に気がついていた海咲。気づいていながらも写真家を目指し、トップカメラマンのひとりとなっていた。

そもそも色弱ってなんでしょうか?ネット記事によると『色の見え方が違う』ということのようです。色を感じる視細胞には赤色、緑色、青色があり、どれかに異常があると『色弱』『色彩異常』と診断される。

『物』の見え方ではなく『色』の見え方が違うんですね。色覚異常にも種類があるそうです。日本では男性の20人に1人、約320万人存在すると言われています。白人では10人に1人と言われ、世界的にはそんなに珍しいことではないそうです。

色彩のディーバと呼ばれたフォトグラファーは錐体(すいたい)ジストロフィーに

海咲は、先天性的に色弱ではあったが、更に『錐体(すいたい)ジストロフィー』と診断されます。いったいどんな病気でしょうか?

眼球の中心部の視野・視力・色覚が失われていく。自覚症状も非常に強く、日常生活での不自由がとても大きな疾患。さらに進行性であり、現在のところ有効な治療法がない指定難病。

さまざまな研究が行われているが、遺伝子の問題で原因や治療法や進行を止める方法もない。視力がどんどん落ちていくにも関わらず身体障害者認定されないという矛盾もあるそうです。

『色弱』や『色覚異常』は日常生活で特に問題なく過ごすことができます。色の見え方が違うだけなので、肉の生焼けや信号機などは特徴などを把握すればよいことです。

しかし『錐体ジストロフィー』を発症すると徐々に視力や視野・色覚が失われていきます。そうなると写真家としては致命的ですよね。海咲は、専属契約を解除されて写真家としての活動を絶たれていくことになります。

ドラマでは、発症がわかってからすぐに上司であり愛人である巻上(遠藤賢一)にそのことを伝えてしまい、専属契約を破棄されます。そんなに早く言わなくてもいいのに…と思ってしまいました。

巻上も非情な人ですよね、愛人だったのに写真家として使えなくなったら、はいさよならって…。

色彩のディーバと呼ばれたフォトグラファーを描いた作品の監督は?

源孝志(みなもとたかし)監督の作品です。2024年NHKプレミアムドラマ「グレースの履歴」は向田邦子賞を受賞。

突然旅行先で亡くなった妻。残された夫は妻の愛車で、妻が行った先を訪ねるというもの静かなドラマでした。最初はなんだかつまらないな、という印象でしたが観ているうちにどんどん引き込まれていく展開。

今回のドラマも同じような構成だな、と感じました。フォトグラファーの主人公ということで色彩が鮮やかなのと、景色や情景が美しい。スロースタートからのどんどん沼っていくドラマです。

NHKドラマってそもそも映像が美しいなと思いますが、源監督の作品は更に美しい情景が特徴のような気がします。普段見逃しがちな、日常の風景が源監督の映像によって魅力的な画像になっています。

色彩のディーバと呼ばれたフォトグラファーが旅する地方ロケの魅力

海咲の生まれ故郷、九州長崎・天草地方が次の舞台になります。天草は『隠れキリシタン』『天草四郎』など歴史的遺産がたくさん存在するエキゾチックな場所です。

湊監督が得意とする美しい自然と風景が圧倒的な画力になっています。ドラマの進行も気になりますが、映像の美しさにも魅了されます。

海咲の育った過去の回顧録や幼馴染が登場し、美しい海とのコラボレーション。癒されそうなロケーションは、観ているだけど心癒されますね。

天草といえば豊富な海産物もあり、食の宝庫でもあります。ドラマでも登場するかな?行ってみたくなりますね。

まとめ

ちょっと暗めのスタートダッシュでしたが、回を重ねるごとにどんどん沼るドラマです。

主演の倉科カナが苦悩の中からどう立ち直っていくのか、どんな選択をしていくのかも見どころです。生きているといろんな困難にぶつかりますが、状況は常に変わっていきます。

心の持ちようは人それぞれ。それでもあきらめずに生きていく、という意図があるドラマですがその過程が美しく、感動的に描かれているような気がします。

テーマ曲のシンディーローパーが歌う懐かしの名曲『True Colors』が美しい映像を引き立てる素敵なマッチングになっています。

 

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