2022年に放送された星新一原作の短編ドラマ、再放送です。SF小説の金字塔、星新一の不思議な世界観がドラマで視聴できます。
8月26日~9月19日までの月曜日から木曜日、10:45~15分間の不思議な世界です。
豪華キャストが出演です。不思議なストーリーはちょっと嫌味やトゲがありますが、それが星新一のメッセージ。人間の本質や、未来への警告、捉え方はさまざまですが少し屈折した物語が魅力。
水原希子が美しいロボットホステス役で出演「ボッコちゃん」
第1夜は「ボッコちゃん」バーのマスター(古舘寛治)が作った人型ロボットのボッコちゃん(水原希子)。
何といっても水原希子さんの美しさが、本物のロボット見えるんですよね。そしてスタイルの良さも人間とは思えない。
ボッコちゃんは不完全なロボット。会話はオウム返しレベルで不自然。でもその美しさにバーの人気者。どんどんお客さんからお酒をごちそうになります。
ボッコちゃんが飲んだお酒は管を通って、瓶に溜まっていきます。つまりお客さんからお金を払ってもらって飲んだお酒は瓶にたまり、そのお酒はお客さんがお金を払って飲む。
売上を上げるためにケチなマスターが考え出した、究極の錬金術。しかしそのツケは回ってきます。お金に執着したマスターにどんなツケがくるのでしょうか。
ボッコちゃんに入れあげた青年が、執着しすぎてボッコちゃんに死んでくれとお酒に毒を仕込みます。…その結末は、想像できますよね。
水原希子さん演じるロボット「ボッコちゃん」の美しさに魅了されて、とんでもないことになってしまいます。ほんとにマネキンみたいなロボットにしか見えない水原さんでした。
永山瑛太が出演する「生活維持省」
永山瑛太と渋川清彦が「生活維持省」と呼ばれる役所勤め。車に乗って職務遂行するが、いったいどんな職務なのでしょうか。
生活維持省の職務は、ランダムに選びだされた人を抹殺すること。
目的は、ある程度の土地面積に対して人口を増やさない、人口密度の一定化。そうすることで凶悪犯罪や悪がはびこらず、最終的には戦争を回避することが出来る…と。
ドラマの中で平和な世の中に暮らせるのは、「生きる権利と死ぬ義務」があるからだと主張する職員たち。
罪のない命を、国が間引くのは「悪」ではないのでしょうか。
そのことに心を痛めていた永山瑛太が演じる職員。最終的には自分のターゲットに選定されます。
星新一ストーリーの少し嫌味な未来の予言を含んだストーリー。人類の未来はどこに行くのでしょうか。
それにしても永山瑛太さん、黒服にあいますね。身長もあるし、抜群のスタイルで本当にかっこいいですね。味のある役者さんです。
高良健吾が出演する「地球から来た男」
産業スパイ(高良健吾)がとある研究所に侵入。見つかってしまい罰としてテレポーテーション装置で他の星へ送られてしまう。
…気がついた場所は、地球。何もかもが地球と同じ地球。地球とそっくりの惑星。
違う惑星と信じ込んでしまった男は、地球に帰りたいと願う。
思い込みって恐ろしいですね。…ところが同じ境遇の仲間が出来た。何が真実で、何がそうでないのかわからないというストーリー。
ドラマの中では精神科に通う姿も。この男がただ思い込みによって真実を受け入れられていないのか、それとも男が言っていることが本当なのか。
頭の中がマーブル模様になりそうなストーリーでした。自分が信じているものが実は真実ではないのかも…?
林遣都が演じる「不眠症」
事故をきっかけに極度の不眠症になる男(林遣都)があの手この手で眠りに就こうとするが…。
なんと!録画していたら、放送時間が変わっていて、見逃してしまった~!!!
NHKってたまーに、こんな事ありますよね…。(悲
残念。
北山宏光が主演「善良な市民同盟」(前・後編)
星新一って予言者なのか、と思う未知のウイルスがテーマのちょっと怖い内容のドラマ。
窃盗を繰り返し、悪徳不動産会社で働いていた守屋(北山宏光)は偶然飛び込み営業に行った老人宅で、『善良な市民同盟』に入会することになる。同盟に入れば、1年後に拡散される未知のウイルスから身を守れるワクチンを接種できるという。
今まで悪人だった守屋は、善人として生活していくことになるが、たったひとつの約束は『善良な市民同盟』を誰にも口外しない事。
守屋は悪徳不動産会社の情報を老人へ伝え、不動産会社の財産は老人が吸い上げてしまった。
善人として生活をしていき、恋人が出来て妊娠がわかると恋人も入会させたいと老人の元へ懇願しに行く。しかし、約束を守れなかったということで破門されてしまう。
未知のウイルスがふりまかれるはずの『神判の日』。…何も起こらなかった。老人こそが悪人で作り事を信じさせ、悪徳会社から金銭を巻き上げていたのだ。
そのことを理解した守屋に、元恋人がもどってくる。そして騙されたことに感謝する守屋。
何がキッカケで人生が変わるかわからない、というお話ですね。騙されたからこそ、初めて人を愛することが出来、善良な人間として生きていくキッカケになった主人公。
北山宏光ってちょっと暗い、闇があるドラマによく出演していますが、ピッタリはまるんですよね。
石橋静河が出演する「見失った表情」
整形手術することが当たり前になった近未来、アキコという主人公を石橋静河が主演しています。
整形手術することが当たり前になるなんて、もうすでに韓国では起こっている現実ですね。近い将来日本でも世界でもそうなっていくのでしょうか。
整形すると、どうしても表情がでにくくなるのは現実的に起こっている現象ですね。笑ってもシワがでないとか、筋肉が不自然につっている、など整形手術のデメリットでしょうか。
ドラマでは表情を作るために「表情操作機」というものがあり、それを取り締まる法律があるのです。ちょっとおかしいですよね、表情を操作することが違法なんてどんな違法性があるのでしょうか。
本来の表情を見失ってしまい、「表情操作機」に依存してしまうから…みたいです。なんだそれ。
石橋静河さん、さすが芸能界のサラブレッド。父・石橋凌、母・原田美枝子という両親ともに大スター。石橋静河さんってそんなに派手なイメージではないですが、ドラマ内で美しい姿を披露しています。
幼い頃から培ったクラシックバレエと現在もコンテンポラリーダンサーとして活動をしているだけあって、素晴らしいダンスを披露しています。
やっぱり、蛙の子は蛙なんですね。ドラマの内容より、石橋静河さんの魅力がたっぷりでした。しかし、整形が当たり前の世の中…もうなっていますね。おんなじ系統の顔ばっかりでつまらない気もしますが。
栗原類のロボット感がすごい「薄暗い星で」
遠い未来に、人間に使い捨てにされたロボットが辿り着く星。そこでいまだに生き残っているロボット役に染谷将太さんと栗原類さんが共演。
ふたりとも人間型ロボット役ですが、ほんもの感がすごい!
特に栗原類さん、そもそも浮世離れっぽい感じが独特ですが、ロボット役にぴったりでした。栗原類って発達障害のひとつADD(注意欠陥障害)であることを公言しています。
人と違った部分があることで、俳優として見事に唯一無二の役柄を演じている俳優ですね。個人的には好きな俳優さんです。四角四面の優等生より、個性がある方が面白い!
ドラマでは人間との思い出を語るロボット。出ないはずの涙がこぼれたり、切ない感情がでたり。モノではなくロボットという存在なんですね。
しかしそれをポイ捨てする人間。現代社会においても何でも使い捨てにしてきたしっぺ返しがいろんな形で起きていますね。異常気象や環境汚染…。宇宙においても宇宙ゴミなるものがあるようです。
星新一はそんなわがまま勝手な人間たちに警告を鳴らしているのでしょう。
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