再放送で尾野真千子が主演の朝ドラ「カーネーション」が放送中

NHKBSで再放送がスタートした「カーネーション」。世界的なファッションデザイナー、コシノ3姉妹を育てた実母・小篠綾子さんを描いた名作朝ドラです。

主演は尾野真千子さん。今となっては大女優の域に成長した尾野真千子さんが世に名を遺した代表作です。

現在とあまり変わっていない容姿で、天真爛漫な主人公を尾野真千子さんらしく演じています。ずいぶん前の作品ですが、現在放送中の「おむすび」よりもなんだかおもしろい。

ヒロイン・糸子を演じる尾野真知子が天真爛漫で魅力的

尾野真知子さんってそもそもつかみどころがない不思議な魅力の女優さんですよね。このドラマでは、明るく天真爛漫で猪突猛進する主人公の糸子を演じています。

ミシンと言う摩訶不思議な機械と出会い、それに魅了されていく糸子。女学校を辞めてまでパッチ屋の下働きで働きながら、夜な夜なミシンを扱わせてもらうという努力を絵に描いたような主人公の糸子。

自分が好きと思ったら、何を苦にすることもなく、パワフルに突き進んでいくいとこの姿を見ていると、なんだかこちらまで元気をもらってるような気がします。

同級生の友達の嫌みや嫌み事や実父からのモラハラ、女性と言うだけでリストラの対象になってしまっても、違う目標を見つけて洋裁にめり込む姿は、『あきらめない』という大切なことを教えてくれているような気がします。

純粋で、少し能天気すぎる様子がとても愛おしいく感じる糸子。尾野真知子さんの魅力と糸子の設定がとてもマッチしていて、回数を重ねるごとに引かれていきます。

糸子の父親はモラハラ、パワハラのオンパレードなのに憎めない

糸子の父親・小原善作を演じているのが小林薫さん。最近では優柔不断な初老の男性を演じたり、柔らかい印象でしたが、このドラマでは昔の頑固おやじ。

しかも、モラハラ、パワハラ、自分勝手、器が小さい…(あ、悪口ばかり)。昔の男性の姿ってあんな感じなのかしら、と残念に思いながら観ています。

長女の糸子は、度々父親に利用されます。子供の糸子に集金を頼んだり、糸子が働いたお金を徴収したり。

威張りちらかす割には、呉服屋の家業はパッとせず、金持ちの妻の実家に借金ばかり。自分では借りに行かず、妻と子供達に行かせるという、なんとも情けない器の小ささ。

糸子が何か行動を起こそうとすると、必ず邪魔をする意地悪さ。男の嫉妬ってこんなにタチが悪いのね、と感じる。

しかしなんだか憎めないんです。糸子の可能性を見極め、呉服店の在庫を売りさばいてミシンを買ってきたり、洋裁の先生に頼み込んで糸子に洋裁を教えてもらうようにセッティングしたりと、糸子に対する愛情を感じるところも多々あります。

糸子の母親は、お嬢様育ちでおっとりさんで天然キャラ

糸子の母親・千代を演じているのは麻生祐未さん。最近ではコワーいお姑さん役でドラマに出演されていましたが、このドラマではおっとり、天然キャラ。夫がどんなにモラハラでも、何食わぬ顔で、はい、と応えるのみ。

実家は神戸の大金持ち。かけおち同様で善作と一緒になり、糸子たちが産まれるが、善作が営む呉服店の経営が良くないと、すぐに実家へ借金の使いに行かされる。

不満を言うこともなく、実家へ借金の申し出をし、お土産にいろんなものを持ち帰れることを喜んでいる様子。子供達も豪華な食事や、珍しい西洋のお菓子を食べれたりするので大喜び。

実家では千代や子供たちの身を案じているが、愚痴ることもなくあっけらかんとしている千代。

夫からあんなに怒鳴られたり、嫌味を言われたりしても何も気にしない千代はある意味、大きな器の人なのかもしれませんね。

たくさんの出演者も魅力的な人ばかり

一緒に暮らす糸子の祖母で善作の母役には正司照枝さん。かしまし娘という音楽漫才姉妹トリオで活躍していた正司さん。

大阪・岸和田のおばあちゃんには適役の方です。絶対いるいる!と思わせる関西のおばあちゃんが何とも味のある可愛くて頼りになる存在なんです。

他にも神戸の裕福な祖父役には宝田明さん、祖母役には十朱幸代さんなど他にはいないと思わせるピッタリの役柄と、陰ながら糸子を援助するところも見どころです。

裕福な祖父母に頼らず、何とか自分の力で道を切り開いていく糸子。その姿を神戸の祖父母は誇りに思い、とても大切に想う姿もなんだかジンときます。

糸子の同級生でプライドの高い料亭の娘・奈津は栗山千明が演じています。ちょいちょい意地悪を言ったり、いけずなところもありますが糸子とは腐れ縁の友人。要所で糸子に刺激を与えています。

岸和田の下町でのたくさんの人々が温かく描かれているところも朝のドラマにピッタリですね。

朝ドラの魅力は、サクセスストーリーと時代物

朝ドラで名作と云われるものの多くが、歴史に名を遺した人物を題材にしたサクセスストーリー。生い立ちや、エピソード、時代背景が興味深く視聴できる。

まるで伝記を読んでいるかのように映像で表現してあるのが人々を魅了する理由のひとつかもしれませんね。細かいところまでこだわってあるセットや衣装。着物の組み合わせや柄を見れるのもとてもいいですね。

神戸のお屋敷も本当のお宅なのでしょうか、素敵な洋館で素晴らしい建物です。下町の風景も昔はこんな風だったのだろうと思う街並み。

ストーリーだけではなく、細部に見どころがたくさんあります。

BSで再放送されているので、このあとにすぐ今の朝ドラ『おむすび』が放送されています。

見比べてしまって申し訳ないのですが、圧倒的に『カーネーション』が面白い。題材にされている世界的なファッションデザイナーを3人も育て上げた母というのもインパクトがありますが、はやり尾野真千子さんの名演技と全体的なストーリーが魅了されてしまいます。

『おむすび』も橋本環奈さん主演という、かなりインパクトのあるドラマですが現代ストーリーと朝から震災の再現映像はちょっと重いですね。

まとめ

前作の『虎に翼』もとても面白かったです。題材になった女性初の裁判官はドラマを観るまで知らなかったですが、こちらも時代背景とサクセスストーリー、伊藤沙里さんの素晴らしい演技力で笑って泣けて感動するドラマでした。

朝ドラは視聴率で人気がある、なし、を判断されていることが多いですが、今や録画やNHKの見逃し配信でも視聴できる時代。

自分が面白い!と思えばそれでいいと思います。

ただ、万人受けするのはやはりサクセスストーリー的な伝記物でしょうかね。

名作と云われるひとつ『カーネーション』。このドラマを観て、朝は明るい気持ちでスタートしたいですね!

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